突然ですが、あなたは本が好きですか?
スタンドFMで活躍されている五十嵐花凛さんの出版記念講演会レポート続きです。
その場で花凛さんが話されていたのが、「本がとても好きだった」というエピソード。
ベストセラー『ソフィーの世界』に夢中になった話を聞いた瞬間、私の中で何かがふわっと解けるような感覚がありました。

そういえば、私も本が大好きだったな。
他の人のイベントや話に触れることで、すっかり忘れていた自分の一面を再発見する。
そんな経験、ありませんか?
図書館に通い詰めた少女が、起業家になるまで
小学生の頃、私は図書館の常連でした。貸し出しカードが誰より早く更新されるような子どもだったんです(今思えば、あれはちょっとした勲章でした笑)。
起業してからはビジネス書を読み漁りました。
経営のノウハウ、売れる本の研究、自分自身の出版経験も経て、あらゆるビジネス書を手に取りました。
でも不思議なことに、結局たどり着いたのは小説だったんです。子どもの頃に戻ってきた、という感じでしょうか。
人って、最終的には自分の「原点」に戻っていくものなんですね。
小説の魅力①「疑似体験」が世界を広げてくれる
私が心から愛している小説のひとつが、髙田郁さんの『みをつくし料理帖』。
舞台は江戸時代。大阪で生まれ、料理の才能を見出された主人公・澪が、江戸で料理店を開いていく物語です。
当時の町人文化、季節の食、端午の節句のかしわ餅、冬至のかぼちゃ。
読んでいると、自分も江戸の町に生きているような感覚になるんです。
NHKドラマで黒木華さんが演じた澪が、私の中のイメージとぴったりでした。
華やかすぎず、でも芯がある。あの静かな強さが澪そのもの、と今でも思っています。
本を通じて、私は昭和・平成・令和の大阪で経営者として生きながら、江戸時代の料理人にも、海外の歴史の一場面にも「なれる」。
これって、考えてみたらすごいことじゃないですか?
今の自分ではない誰かの人生を体験できるのが小説の醍醐味だと思っています。
小説の魅力②「他者の感情」を知ることで、コンサルタントとしての深みが生まれる
もう一冊、同じく髙田郁さんの『あきない世伝 金と銀』。
現在、小芝風花さん主演でドラマ化もされています。
大阪の呉服屋に奉公に上がった「幸」が、女主人として商いを切り盛りし、江戸へと活路を開いていく物語です。
経営者の方にはぜひ読んでほしい一冊。幸の決断や葛藤が、自分の経営体験とリンクして、読みながら何度もうなずいてしまいます。
でも私がより深く刺さったのは、幸を陰で支える妹の描写でした。
幸はみんなに愛され、活躍していく。妹はそのそばでずっと見守り続ける。
その複雑な心情——「嬉しいけど、少し苦しい」みたいな感情——は、私自身がメインで経営者をやっている立場では、なかなか体感できないものです。
でも、経営者の周りにはこういう気持ちを抱えている人がいるんだと、小説を通じて知ることができました。
これがコンサルティングに直結するんです。
お客様は私と同じタイプの人ばかりではありません。
正直に言うと、私はかなりマイノリティ、変わった人間だと自覚しています(笑)。
だからこそ、小説で学んだ多様な感情のパターンが、相談者の「伸びしろ」を見つける目を養ってくれていると感じています。
最近の一冊——推し活と陰謀論の交差点
最後にご紹介したいのが、本屋大賞を受賞した朝井リョウさんの『インザメガチャーチ』。
かなりボリューミーな本ですが、読み応え抜群でした。
推し活にのめり込む人の心理、視野が狭くなっていくプロセス、そしてそれを巧みに利用する「仕掛ける側」の構図。
これが生々しく、でも丁寧に描かれています。
読みながら思ったのは、マーケティングと人の感情は、思っている以上に深く絡み合っているということ。
メガチャーチ型のコミュニティ運営の仕組みも小説を通じて学べて、ビジネス書以上に腑に落ちる学びがありました。

「本が好き」という共通点の中にある、個性
花凛さんも本が好き、私も本が好き。でも、好きな理由も、本から得るものも、きっと少しずつ違う。
その違いこそが、その人の個性であり、強みの源泉なんだと思います。
あなたが本を好きな理由は何ですか?
そしてその「好き」は、今のあなたの仕事や生き方にどんな形でつながっていますか?
コメントで教えていただけたら、嬉しいです。
同じ本が好きな方、特に『みをつくし料理帖』『あきない世伝 金と銀』のファンの方——ぜひ語りましょう(この話だけで10時間できます、本当に笑)。
📚 今回ご紹介した本
髙田郁『みをつくし料理帖』
朝井リョウ『インザメガチャーチ』(本屋大賞受賞)