1000件の現場で見てきたことが、商品になった
2026/09/15「モノ」を売っていた人が「知識」を売りはじめたら、商圏が全国になった
売っているものをモノから知識に変えたことで、事業を大きく伸ばされた女性経営者がいます。
展示会活用アドバイザーの大島節子さんです。

実はせっちゃんは、私が起業して一番最初に仲良くなった経営者仲間。
2002年の6月か7月ごろ、起業準備中の私が
「異業種交流会に行って人脈を広げよう」
と意気込んで参加した、人生で最初の交流会で出会いました。
年も近くて、彼女が2つ下。
ちょうど家業のマルワ什器を継いで、二代目社長として走り出したところでした。
これから起業する私と、これから継ぐ彼女。妙に気が合ったのを覚えています。
「貸して、運んで、引き取る」仕事の傍らで貯まっていったもの
皆さん、展示会に行かれたことはありますか。
美容業界ならビューティーワールドジャパン、先日はマイドームおおさかでセラピーワールド大阪も開催されていました。
メーカーやサービス事業者が自社商品をPRし、取引先を見つけ、その場で販売までする場です。
マルワ什器さんのお仕事は、そういう会場にテーブルや椅子、パーテーションを届けるレンタル業。
在庫を持ち、決められた日時にトラックで運び、終われば引き取りに行く。
時間的にも物理的にも制約の大きい事業です。
しかもガソリン代は上がり、人件費も上がる。
モノがある商売は、ちょっとした物価高がジワジワと効いてくるんですよね。
ただ、その現場を1000件以上こなすうちに、せっちゃんの中には別のものが貯まっていきました。
「賑わっているブース」と「ちょっと残念やなというブース」の違いです。
準備の仕方、当日のレイアウト、声のかけ方。
何が成否を分けるのか、数多くの現場を見て来られました。
知識を発信する側に回るという選択
そこで2012年に立ち上げられたのが、中小企業のための展示会情報サイト「展活(てんかつ)」。
この「展活」、商標まで取得されています。
準備からアフターフォローまでを体系的にノウハウ化し、発信する側に回った。
ここが本当にブルーオーシャンだったなと思うんです。
中小企業の経営者はみんな販路を開拓したい。
展示会は社長が直接見込み客にPRできて、商品を触ってもらえて、効率よく商談できる場。
でも出展料はそれなりにかかる。
だからこそ「その費用を確実に成果につなげる人」というポジションには、ぽっかり空席があったんですね。
今では全国の商工会議所などでセミナーに登壇され、出展企業へのコンサルティングもされています。
トラックで什器を運んでいた地元密着の事業から、身ひとつでどこへでも行ける——正直、オンラインでも成立する——全国展開の事業へ。
什器は積めばトラック一台分ですが、ノウハウは何台分でも運べるわけです。
なぜ彼女は「お客様の成果」まで見ていたのか
私が一番素敵だなと思うのは、この転換の起点です。
什器を貸して、運んで、引き取る。
それだけで仕事は完結します。
でもせっちゃんは「せっかく借りてくださったお客様に、展示会でうまくいってほしい」と思っていたはずなんです。
だから丁寧にコミュニケーションを取り、取引先の課題に気づき、もっと深く展示会を観察するようになった。
「買ってくれてありがとう」で終わらせなかったこと。
その姿勢の先に、ノウハウの蓄積と発信があったんだろうと私は推測しています。
伸びしろって、案外こういうところに眠っているんですよね。
すでに毎日やっている仕事の中に、自分では当たり前すぎて気づいていない資産がある。
そのノウハウが本になりました
『ゼロからわかる!展示会出展の教科書 ——準備からアフターフォローまで100のQ&A』(大島節子 著/同文舘出版/2,200円税込)。
9月17日頃発売で、Amazonで予約受付中です。

スケジュールの組み方、何から手をつけるか、タスク管理、出展費の目安まで、100項目にまとめられています。
頭から読めば、初めての出展でも漏れなく準備ができる構成です。
「展示会なんて自分には大きすぎる話」と思われるかもしれません。
でも、マルシェ出展も、ある意味で小さな展示会です。
私、去年お菓子を開発してマルシェに何度か出たんですが、コンサル業一本だったので出展は15年ぶりくらい。
もう何を準備したらいいのか全然わからなくて、商品をテーブルにペタッと並べただけの、それはもう見事に賑わわないブースになりました。
出展料も払って、1日そこに拘束されているのに。
もっと準備しておけばよかったなと、今でも思います。
さらに言うと、この本は新商品リリース全般に効きます。
せっちゃん自身が本のプロモーションで、ホームページを見直し、名刺を作り直し、プレスリリースを送り——と動かれていて、
「結局、教科書に書いてあることを自分でもやってるだけ」とおっしゃっていました。
展示会の教科書と書かれてますが、中身は「売りたいものをどう世に出すか」の教科書なんです。
24年来の友人が、お互いに事業を続けていること、元気で頑張っていると言い合えること。
これがもう、しみじみ嬉しい。経営者仲間が事業の形を変えて、さらに大きく展開されている姿に、私自身が元気をもらっています。
新商品開発やイベント出展を考えている方に、おススメの一冊です。



