職人タイプとマネージャータイプ|自分の気質を知ると仕事選びがラクになる
2026/08/20あなたは職人タイプ? それともマネージャータイプ?
「どっちが偉いか」ではなく「どっちが自分か」。
この問いに対して、自分の答えを見つけたことでラクになりました
リケジョがフラスコを振っていた頃
私、実は大学ではバリバリの理系でした。専攻は化学。
やりたかったのは人工臓器や人工皮膚の研究です。
火傷の痕がきれいに治る未来。
病気で視力を失った人が、人工角膜でもう一度世界を見られる未来。
そんな世界を作りたいと思っていました。
じゃあそのためにはどこで学べばいいのか。
相談した相手が、進研ゼミの赤ペン先生でした。
赤ペン先生のアドバイスを参考に化学の道に進み、大学院を出て化学メーカーに就職しました。
配属されたのは医薬品の開発。
テレビCMで見る、白衣を着てフラスコを振っている、あれです。

希望通りの仕事に就くことができた。でも、数年経って、静かに思ったんです。
——私、これ向いてないかもしれん。
華やかな世界に憧れて、また同じ壁にぶつかる
そこから資格取得スクールに通い、アロマとネイルという、化学実験とは真逆に華やかな世界へ。
独立もしました。ところが、またしても思ったんですね。
これ、向いてない。
正確に言うと「向いてない」というより、この道を一生かけて追求できるほどには好きじゃない。
能力の問題じゃなくて、熱量を持ち続けることができるかという壁にぶち当たりました。
先輩経営者の一言で、腹が決まった
起業して数年経った頃、人材開発のお仕事をされている先輩経営者とお話しする機会がありました。
そこで言われたのが、この言葉です。
「人には職人タイプとマネージャータイプがある。
どっちが良い悪いじゃなくて、自分がどっちかを早く見極めた人のほうが、幸せになれる」
聞いた瞬間、自分のキャリアが一本の線でつながりました。
化学者は、職人です。
欲しい薬を、安全に、コストも抑えて作るために、条件を変えては実験し、また変えては実験する。
アロマセラピストもネイリストも、やっぱり職人。
技術を磨いて磨いて、自分の指先に宿らせていく仕事です。
ネイリストの修行時代、毎日チップに色を塗り続けました。
アートは「毎日10本描きなさい」。
微妙なグラデーションが出せるようになるまで、ひたすら筆を持つ。
できるんですよ、ある程度は。でも「これが私の個性です」と胸を張れるところまでは、どうしても追求しきれなかった。
私、気が多いんです。追求している途中で、飽きる。
というより「ちょっとあっちも見てみたい」が湧いてくる。
学習欲とか収集欲とか、そういう気質なんでしょうね。
ところが、マネジメントのことは何時間考えても飽きない。
「あの人のプロデュース、こうしたら光るんちゃうかな」
「みんながフィーチャーされる企画、こんなんどうやろ」
と考え出すと、頭が活性化して眠れなくなる。
ああ、私はマネージャータイプだ。
そう腹をくくった瞬間、本当にラクになりました。
高校時代はマネージャーだった
そう思って人生を巻き戻してみると、思い当たることがたくさんあります。
学級委員、生徒会の厚生委員、そして高校の部活動はバレー部のマネージャー。
しかも女子バレー部です。
「女子バレー部のマネージャーって、やることあるん?」とよく言われます。
断言します、男子より雑用は多いです。
パス練習でペアが奇数になれば駆り出されてボールを投げ、試合の日はお弁当を買いに走り、麦茶を作り、遅れてくる子をケアし、怪我人の手当てをし、もちろんスコアもつける。
それが、めちゃくちゃ楽しかったんです。
私、運動神経がイマイチなので、選手として同じコートに立つのは、正直むずかしかった。
でもマネージャーというポジションなら、ベンチに入れる。
試合の熱の中に、いられる。活躍する選手を支えて、あの一体感を一緒に味わえる。
コートに立てなくても、試合には参加できる。
今のコンサルティングも、やっていることは同じ
この感覚、今の仕事とまったく同じです。
私は人様からお金をいただけるような料理は作れません。
でも、わくらくの会員さんにはお菓子の開発が得意なパティシエさんがいて、カフェを営んでいる方がいる。
その方を応援していると、私まで少しカフェを経営しているような気持ちになれる。
世界がどんどん広がって、いろんな技術や体験を疑似的に味わわせてもらえる。
これがもう、たまらなく嬉しいんです。
バレー部のベンチで感じていた喜びと、地続きです。
高校時代に感じた想いがちゃんと一本につながっていました。
あなたはどっち? ——0か10かではなく
さて、あなたはどちらでしょう。職人タイプでしょうか、マネージャータイプでしょうか。
もちろん10対0できれいに分かれるものではありません。
職人6のマネージャー4、という方もいらっしゃると思います。
大事なのは比率を当てることではなく、自分の配合を知っておくことです。
職人気質の強い方が「経営者たるもの人を育てねば」と無理に組織を大きくしようとして苦しくなる。
マネージャー気質の方が「一つを極めなければ一人前じゃない」と自分を責め続ける。
ご相談を受けていると、この手のミスマッチによる消耗が本当に多いんです。
伸びしろは、たいてい苦手の克服ではなく、気質に合った場所に置き直すことで見つかります。
向いていないことを認めるのは、負けではありません。
私にとっては、「マネージャータイプでいこう」と腹をくくったことでラクになれました。
あなたはマネージャータイプ、職人タイプどちらでしょうか。



